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日々の活動を報告します。

  • 出前授業の感想(福島県立新地高校)

    2月26日、福島県立新地高等学校にて、古山浩司さん(古山果樹園代表)と

    岩佐大輝さん(株式会社GRA代表取締役CEO)を講師にお招きして、

    出前授業が実施されました。受講した生徒さんから寄せられた感想の一部をご紹介します。

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    ・古山さんのお話を聞いて、チャレンジすることの大切さや、桃に対する気持ちの強さを聞いて、努力する意味

    を教えられた気がしました。復興へすごく貢献しているすばらしい人だと思いました。岩佐さんは、いろいろ

    面白い経験をされていて、そこからの切り返しがすごすぎて、自分の考えをくつがえされました。農業がすごく

    かっこよくて、面白いものだと感じました。

     

    ・農業について、2つの視点で聞くことができた。1つ目は生産者の古山さんの道のり。もう1つはビジネスで

    農業発展をしている岩佐さん。それぞれの話を聞いて思ったことは、悪い意味での震災であり、良い意味、

    良い刺激となる震災があったから、いろいろな可能性が生まれ、福島県などの農業に新しい光が照らされてい

    るのかもしれないと考えた。

     

    ・震災により、福島の農産物が売れなかったりしたけど、沢山の努力と行動で成功してきて、すごいと思いまし

    た。努力成果がでて、おいしい桃やいちごを作っているということを、知れました。今できることで上を目指し

    いき、失敗を恐れないでチャレンジしていきたいです。

     

     ・今回お話を聞いて、農業の楽しさや、大変さ、やりがいがあることを学びました。東日本大震災を乗り越え

    て、失敗したこともあったが、それをバネにし、都会の人に認められて、すごく嬉しかっただろうなと思いま

    した。

     

    ・努力した人が成功するとは限らないけれど、成功した人の中に努力しない人はいないと思います。古山さんと

    岩佐さんは努力したから、食べた人を笑顔にすることができたんだと思います。努力することで、自分の為にな

    人の為になるので、私も自分なりに、部活や勉強に取り組んでいきたいです。

     

    ・震災から切り替えて、ここまでの成り立ちを聞いて、やってみないと何事も分からないと感じました。自分が

    やりたい事をやって、それをもっと良くするためにどうしたらよいのかを、自分で調べて、実践しようとする

    ところが、成長につながるのかなと思えました。また、農家や食について、震災への考え方も自分の中で、

    変わったと思えました。努力を一生懸命にやってみたい、そして、苦手なことをチャンスに変えたいです。

     

  • 今年度 第3回目の出前授業が開催されました ( 福島県立新地高校 )

    2月26日、福島県立新地高等学校にて、出前授業が実施されました。

    今回の講師の方は、新地高校の身近な地域で農業を営み、震災後のピンチをチャンスにかえたというお二人です。

    1. 講演

    最初の先生は、古山浩司さん(古山果樹園代表)でした。

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    古山さんは家業の農業を継いだ1年目に震災に遭い、作ったものが全く売れなくなった時、誰よりも美味しい桃を作ろうと決意し、誰よりも勉強したと言います。

    「具体的に何を勉強したのですか?」という生徒の質問には、「まず最初に自分の土地の成分を調べた。そして、全国の農家の方にアポを取り、話を聞いて見学させてもらった」と答えられていました。現在は世界一甘い桃を作れるようになり、全国の百貨店から注文が入るようになったこと、1個2億円のリンゴ(ワンピース「悪魔の実」仕様)を売り出したところ、人が集まってインスタ映えすると言われ、注目を浴びるようになったことなどのエピソードから、震災で味わった一番つらい経験が今の自分の糧になっている、と締めくくっていただきました。

     

    続いては、岩佐大輝さん(株式会社GRA代表取締役CEO)です。

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    岩佐さんは、震災による津波で流されてしまった、故郷・山元町のイチゴ農家をなんとかしたいという思いから、会社を設立。イチゴを作るのは難しく、一人前になるのに10年、15年とかかります。そこで、美味しいイチゴを育てる「技」を、自分の得意なITとうまく組み合わせてなんとかできないかと考えます。この道40年の大ベテランである先輩の教えを請いながら、気象状況や生育状況など全てデータ化して管理、徐々に収穫量を拡大し「ミガキイチゴ」と名付けてブランディングに成功しました。

    最後に「人生は良い時もあれば、悪い時もある。大変でも死ななければ何とかなる」とメッセージをいただきました。

    2. 対談

    続いて古山さん、岩佐さんによる対談が行われました。

    (コーディネート:新地高校 高村先生)

    まだまだ風評被害はあるが、人の記憶はどんどん薄れていくので、心配に思っている、逆境の中で本当に多くの人に助けてもらい、震災以降の絆が最大の財産になっているなどのお話を伺いました。さらに、これからの世代に向け具体的なアドバイスもいただきました。

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    ・若い世代への支援について

    岩佐さん:イチゴ農家になりたい人に研修をして、今までの恩を返していきたい。町で働く人が増え、町が活性化するために注力していきたい。

    古山さん:若い農業者が少ないのは農業者がその魅力を伝えてなかったから。農業をやりたい人を少しでも増やしていければというのが自分の恩返しと思っている。

     

    ・これからの若い世代がグローバル市場で打ち勝っていくためには、どんな技術やノウハウを身につければいいでしょうか?

    <知ること、自分が知らないことをすることが重要>

    岩佐さん:海外で勝つことも大切だが、まず日本の身近な人に喜ばれるサービスを作れないと。日本人に認められるような頭角を現すと、海外で戦う道が開ける。人脈を作ることが大切。何かで一番になろう。今できることで頭角を現すこと。それ以上の近道はない。今頑張ることが大切。

    古山さん:まず興味をもってほしい。知ろうと思う気持ちが大事。目標を持てば、それに向かって思い切り努力できる。知ることを欲してほしい。情報量、知識量はものすごい武器になる。みんなには明るい未来が待っている。いち早く海外に行ってください!自分でお金を貯めて、自分の知らない場所にいってください。広がります。

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    ・どうやって仕事を選べばいいでしょうか?

    また、新しいことにトライする勇気はどうやってできたのでしょうか?

    <行動することが一番重要>

    岩佐さん:世の中はやってみないとわからない。まずは行動することが一番重要。

    勉強していても行動しなければ何も生まれない。

    古山さん:自分に嘘をつかない。日本の大手企業は縦社会、年功序列が根深い。サラリーマンは、自分が努力しても報われないことが発生する。私は性格上できなかった。定年まで働いても、自信を持って楽しい人生とは言えないと思った。ハローワークに行ってみて、実家の農業が一番合っていると感じた。行動をおこしたから、今の自分がある。

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    最後に生徒さんから質問がありました:

    行動するにあたって、嫌なこともしないといけないと思いますけど、どう思いますか?

    古山さん「嫌なことほどチャレンジしないと意味がないので、苦手をチャンスと思う様にしている」

    岩佐さん「嫌だな、辛いなと思ったときはラッキーだなと思う。その時に差がつくチャンスです。良い時は変わらないが、悪い時に差がつく」

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  • 出前授業の感想(岩手県立花北青雲高学校)

    2月20日、岩手県立花北青雲高校にて、NPO法人未来図書館とのコラボで出前授業が実施されました。

    生徒さんから寄せられた感想の一部をご紹介します。スクリーンショット 2019-02-24 16.45.16

     

     

    ・失敗を恐れずに色んなことに挑戦していきたいと思った。自分で考え、その意見を発表することの大切さを学んだ。今は将来のことはよく考えてはいないけれど、色んな人の話を聞いて、やりたいこと、やれることを見つけて、レパートリーを増やしていきたいと思った。小さい目標をたて、それを積み重ねて大きい目標につなげていきたい。

     

    ・今回のプロジェクトをやってみて、色んな人と話し合うことができ、視野を広げてみようと思いました。高校生の僕達があまり聞くことのないような話や考え方などを社会人の方に聞くことができて、とても勉強になりました。これから目標がたくさん出てくると思うけど、チャレンジしていこうと思いました。

     

    ・今回の話し合いで、やる気スイッチは自分にしか押せないものだが、やる気スイッチを見つけるためには、周りの人との関わりがないと見つけられないということが分かった。たくさんの人と接することで、得たものを自分のなかでくだいて、自分で考えれば変われるチャンスになると思った。

     

    ・今回の取り組みや話し合いで、日頃考えもしなかった、やる気について考える機会になりました。

    そして、みんなの考えるやる気についてや、その共通点や違う点などを知ることができました。また、話を聞いて、憧れている人がいると、やる気スイッチが入るなど、なるほどと思う話や、実体験を交えた仕事に関する話などもあり、とてもよい機会になりました。

     

    ・「趣味」・「好きなこと」・「興味のあること」があれば、嫌なことも意識せず、熱中して楽しくできることが分かりました。上に書いた3つがやる気スイッチのようなもので、これがあることで頑張れると思いました。

     

    ・今回のプログラムを通して分かったことは、自分の考え方、捉え方次第で変わるんだなということです。面倒くさいことは、自分が思っているからそう感じるのだろうし、楽しみなことは自分がやりたいと思っているから、楽しみだと感じるのだと思います。なので、今日から、物事をポジティブにとらえられるようにしたいです。物事をポジティブに捉えて、やる気に変えることが、自分にとっての「やる気スイッチ」です。

     

    ・今回の2時間のお話の中で、今まで少し難しく考えていたり、悩んでいたことが、迷いなく簡単に考えられるようになりました。さらに、色々なことに気づかされました。たとえば、目標に到達するためには一直線に進まなければいけないと思っていたけれど、じっくりでも小さなことの積み重ねで到達すればいいということ、こっちの方が長く続くなと思えました。完璧じゃなくていいという言葉がとても深くて、悩みがとけたのでよかったです。

  • 今年度第2回目の出前授業が開催されました(NPO法人未来図書館との初コラボ)

    2月20日、岩手県立花北青雲高校にて、NPO法人未来図書館とのコラボで出前授業が実施されました。

     

    ――NPO法人未来図書館(未来図書館www.miraitoshokan.com )とのコラボについて

    NPO法人未来図書館は、平成16年に「大人子供が学び合う社会」を目指し設立され、以降同事業や「未来パスポート」などを展開、岩手県内で2万人以上が参加するという実績を有する非営利団体。「未来への教科書 出前授業」と同じく小〜高校生を対象としており、事業目的にも通じているものがあるということから今回のコラボに繋がりました。

     

    この日、「未来への教科書 出前授業」からは、基調講演として佐藤柊平さん(一般社団法人いわて圏 代表理事)にご参加いただき、“「進み方」の見つけ方”をテーマに、ご自身の経験をもとにお話しいただきました。

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    高校生の時、趣味の写真を通じて地元の様々な大人と出会い、視野を広げていくうちに、地域がどうやったら活性化していくのか学びたいと考えるようになり、進路についても考えるようになったこと。家や学校の外、地域の色々な人と出会うことが大切ということ。また、震災がターニングポイントになり、復興の活動を始めたことで、自分のやりたい事と行動が繋がっていったというお話をしていただきました。そして、後半の「かだるプログラム」のグループトークの前段階として、佐藤さんにとって具体的に、進路を決めたきっかけになった“やる気スイッチを入れてくれた3人の方”についても語っていただきました。

    ・最後に子供たちに向けてメッセージをいただきました。

    自分が「これをやる」と決めたことによって視野が広がっていく。自分自身で決めて行くことが大事。学校や家の中だけの価値観や経験で自分の進路を決めず、もっと多様なもの、ことに触れていろんな人や価値観、生き方などをしっかり吸収してから答えを見つける方が、より楽しい進路選択、生き方につながるように思う。この後のプログラムでは、是非普段学校や家では聞けない話、体感できない話を色々と聞いてみてほしい。自分ってそもそも何が好き?何がしたい?を振り返る機会になればいいと思う。

     「自由」を最初に日本に輸入した(日本語にした)のは福沢諭吉。「自らに由る」と書く。「自分自身によって」自分の意思によって自由を得られる。高校生時代に一つでもそんな経験を積んでほしい。どういう選択をすればいいかは、たくさんの人たちに合う中で決めていけばいいと思う。自分が納得できる生き方を一人一人がやってほしい。

    ・未来図書館によるキャリア教育支援「かだるプログラム」

    「やる気スイッチってどこにあるの?」というテーマで10グループに分かれ、「センパイ」と生徒がガチンコトークを展開。「センパイ」は、地元の地域おこし協力隊の方、化粧品メーカーの方、金融機関の方、精密機械メーカーの方と多岐にわたります。それぞれのグループがそれぞれのやり方により議論を展開し、決められた時間内で意見を出し合い、発表しました。

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    「センパイ」方の感想

    どのセンパイがたも、子供たちが自発的に語り始めたり、お互いに意見を言い合うという展開まで持っていくのが難しかったようですが、自らの体験をさらけ出して話したり、子供たちの悩みを聞いてあげることにより、話し始めたグループもありました。普段身近な大人といえば、親か学校の先生が殆どというのが子供達の現状のなか、全く知らない世界の大人との交流を持つということは、子供達にとっても、背中を押す、変化のきっかけになるのではという感想が出ていました。DSC_4693DSC_4626

  • 出前授業の感想(いわき市立平第三中学校)

     

    12月6日、いわき市立第三中学校にて出前授業が行われました。

    今回の講師の方々は、本田勝之助さん、ジェイソン・フォードさん、榎田智子、堀有伸先生でした。

    生徒さんから寄せられた感想の一部をご紹介します。

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     本田さん

    ・今も福島の食のブランドのイメージが震災前に戻っていないことやブランディングの面白さや本田先生の考え

     方などとても勉強になりました。(中略)私は福島の桃「なつかんろ」を全国に広め福島のブランドにしたい

     のです。無理なお願いでしょうが、ブランディングしていただけないでしょうか?

     

    ・私が福島に恩返しをするなら、声優を目指しているので、アニメーションを通してイベントを福島でやって、

     そのアニメのキャラクターとコラボさせて 福島をアピール出来たらいいと思います。(中略)本田先生の

     講話を聞いてとても世界が広く見えました。

     

    ・会津の三恩は、両親・先生・地域が大切なので、これからの生活に、三恩をいかしていきたいと思いました。

     

     

    ジェイソン・フォードさん

     ・自分たちが見、感じることができなかった、景色をしっかりと受け止められました。「幸せな思いをしてい

     る自分の裏では、苦労しても、幸せを掴もうと必死に努力している人がいる」という話に深く共感しました。

     

    ・自分がこの先どのようなことを思って生きていけばいいのか。今、自分ができることは何か。大切なことを

     たくさん学びました。

     

    ・いやな思い出【震災】は忘れたいと思っていた私ですが、ジェイソンさんの話を聞いて、忘れたら今まで復興

     に取り組んできた方などの思いを大切にできない。ありがとうございますって言えなくなってしまうのではと

     感じました。

     

     

    榎田

    ・誰かの役に立つやりがいと、大変さ、そして自分たちの思い、生き様を伝えていく難しさを改めて実感しまし

     た。

     

    ・「常識を疑う」ということがいかに大切かを学びました。そして、メディアというものは多くの人を助けるこ

     とができるものなのだと改めて思いました。

     

    ・メディアとは何か、そして、日本の底力と、私たちが助け合って生きる事の大切さ、「絶望に向かい希望を

     拾う」が、思い出すと一番最初に出てきました。そして復興のために、海外からの協力のありがたさ、進化す

     るためには常識を疑うという、新しい発想を作るやり方、考え方を学びました。それに「記憶のアーカイブ

     化」という、復興をするときに、私は一番大切なのではないか、と思いました。

     

     

    堀先生

     ・これからの進路なんて全く考えていなかった私は、今回の講話を聞いて、どう生きていくのか考えを持とう

     と思いました。自生の大切さもわかっていませんでしたが、もっと人のためにと考えるようになりました。

     

     ・任されたことは最後までやり遂げる事、良いことや悪いことじゃなくても、見つけなきゃいけないこともあ

     ることなどいろいろなことを知りました。

     

     ・「自分の好きなこと、好きな物、やりたいことを追求することが大事」ということについて、とても共感し

     ました。

     

     

    12月6日に開催された出前授業の様子は、こちらから ↓

     

    ・今年度 第1回目の出前授業が開催されました ( いわき市立平第三中学校① )

    http://evp2024.xsrv.jp/ramediateam/blog/2019/01/08/今年度-第%ef%bc%91回出前授業が開催-いわき市立平第三/

     

    ・今年度 第1回目の出前授業が開催されました ( いわき市立平第三中学校② )

    http://evp2024.xsrv.jp/ramediateam/blog/2019/01/10/今年度-第%ef%bc%91回目の出前授業が開催されました-い/

     

     

     

  • 今年度 第1回目の出前授業が開催されました ( いわき市立平第三中学校② )

    続いてJason Scott Fordさん(復興支援メディア隊)です。

    Jasonさんはオーストラリアから日本に来日し、結婚。来日19年目の時に震災に遭遇しましたが、家族の反対

    を押し切って日本にとどまり、ボランティア活動で日本人を支援し続けたました。なぜ日本に残ったか、震災

    でボランティア活動をしながら何を感じたか、などについて在日外国人の視点から語ってJason sanいただきました。

    <震災の中で感動したこと>

    ・中学生が、震災直後に走り回って水の配給を手伝っていたことから、日々の行いが感じ取れたこと。

    自分は、震災が起こった直後は、頭が真っ白になってしまい、何も考えられなかった。震災から3日後に、海外から支援の申し出があったことをきっかけに行動を開始。その活動に参加するために訪れた石巻市の遺体安置所で出会った女性の様子から、大震災への理解がようやく出来るようになった。

    ・自分を強くしてくれた震災

    生命の大切さ、周囲の人々がどれだけ大切なのかについて実感を持った。プラスのこともマイナスのことも様々なことが起こったが、すべて自分の成長へと繋がった。

    ・外国人が学ぶべき日本人の姿勢

    震災時、スーパーへ行って並んだ時に、パニックを起こさず、店員もテキパキと案内をしてくれたこと、外国人の自分を気遣ってくれたこと、などから、日本人は自分よりも相手を思う心が強いと知り、そのような日本人が素晴らしいと改めて感じた。

    <質疑応答>

    Q. ボランティアをするにあたって、親に反対とかされなかったんですか?

    A. 震災後には、帰って来いって言われた。当時は福島の原発事故や、地震がもう一度起こる可能性もあった

     から。母も姉も泣きながら帰って来いと言った。でも自分のうちは日本だし、みんなが困ってるのに帰る

     ことはできないと思った。2012年に亡くなった父からは、2011年の8月ごろから「すごく尊敬してるよ」

     と激励された。「すごく嬉しい、そういう活動してるっていう事が。息子として誇りに思う」と言われた

     ことが印象に残っている。

    Q. 震災後、通訳を頼まれたときどう感じたんですか?

    A. 津波にあって、本当に辛い思いに触れたっていうか、それしかできないなっていうのが最初の思いだった。

     自分の力って、日本語なんだろうなって震災に遭って思った。視聴者に思いをある焦点で通訳しなくちゃ

     いけなかったときは、子供の前でボロボロに泣いちゃった。その話が辛すぎて。なんとかしたくてもでき

     ないな、という虚しさがあった。でも、通訳をしなかったらこういう体験や出会いもなかったから、できた

     ことに感謝している。

     Q. 支援してて一番心に残った言葉はなんですか?

     A. 「ありがとう」かな。あと挨拶。それから言葉では無いんだけど、自分が石巻で教えていた英会話を震災後

      に再開した時に、子供達が見せてくれた笑顔が印象に残っている。

    ーーーーーーーーーーーー

    続いては榎田智子さん(復興支援メディア隊)です。

     

    復興支援メディア隊のメンバーとして、震災直後から映像やSNSなどによる情報発信などを開始。震災での活動の話を中心に、そもそもメディアとは何か、仕事をする上で何が大切かなどについて語っていただきました。

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    ・設立の経緯とこれまでやってきたこと

    復興支援メディア隊結成のきっかけについて、経産省の研究会のつながりで本田さんのところにまずは入ったこと、そこで様々な情報を得ることができた。その時、悲惨なものを多く見るだろうという覚悟で入ったが、様々な人のインタビューをしていくうちに、むしろ日本人の力強さ、思いやりや底力を思い知るようになる。そこで、まずはそういった映像をyoutubeで配信し始めたのがきっかけ。

    その後、三井物産さんやBS12との出会いがあり、「未来への教科書」として番組化させていただけた。番組は5年で117本制作。そのネットワークで今開催している出前授業に繋がった。また、子供達にカメラを渡し、写真を撮影して、言葉を考えてもらって、ポスター化した。「未来への教科書ポスター展」は羽田空港、議員会館、文科省、そのほか復興支援イベントなどの際に日本各地、遠くはシドニーで展示され、大きな反響を得た。また、従来のネットワークを活かし、中国国営放送CCTVの撮影班を招聘、「気仙沼の春」という番組政策につながる。この番組は2012年度アジア太平洋放送大賞を受賞するなど大きな反響を呼んだ。

    他にも、台湾の盲目のピアニストを招聘し、東北でコンサートツアーを実施するなど、様々な活動を展開するなど、いろんなことをやってきたが、自分たちがやってきたことは「記憶のアーカイブ化」。過去からしか未来は生まれない。だから「未来への教科書」というタイトルに、その思いを込めた。

    ・配信事例「釜石東中学校 佐々木先生」youtube

    釜石は津波てんでんこの伝統を守り、多くの人が助かった地域。「釜石の奇跡」と言われた。釜石東中学校でも、ほとんどの生徒が助かった。引率の佐々木先生のインタビューは1万回を超える再生回数。佐々木先生の話から、助かった要因は「日頃の防災訓練の成果」「子供達や先生に、先入観がなかった(ここまで津波は来ないだろう、というのがなかった)」「てんでで逃げる」

     ・メディアとは

     メディアとは新聞、テレビ、ラジオなどの報道という意味が一般的だが、「何かと何かを取り持つもの」という意味で行けば、人や場所もメディアと言える。人間も、祖先からの何かを受け継いで、子孫に伝えていくメディアと言える。自分が今、生きているのはそのような大きな意味があることをいつも心の隅に置いておいてほしい。

     ・メディアに携わる際に大切なこと

     常識を疑うこと。常識はその場、環境、時代で大きく変化するもの。それは隣に住んでいる人と自分の家でも違うくらい、実は人によってかなり違う。ニュースなどを見たとき、必ず先入観だけで判断しないことが大事。生き物は、今ある常識を超えて何かを生み出したり、変化したりして進化してきた。みんなも新しいこと、人と違う意見を言うことを怖がらずにやって欲しい。

     ・みんなへのメッセージ

     海外の人たちが賞賛する日本人の素晴らしさは、例えば、部活や、掃除、靴を並べて脱げることなど、みんなが普段何気なくやっていることだったりする。今はそのようなことに気づかないかもしれないが、そういうことが大人になって大きな力になってくることを忘れないで欲しい。

     

    <質疑応答>

     

    Q. 風評被害の影響で何が一番深刻だと思いますか。

    A.例えば福島産の米がいまだに半分くらいしか売れないなど、7年経っても長期的な風評被害になってしまって

     いる。また、福島の子供達が避難地の他県などでいじめられるなど、ちょっと考えたらわかることが、多数の

     思い込みで不幸なことになっている。それらは、放射線の影響などについての情報が正しくきちんと伝わって

     いないことが大きいと思うし、本来、正しくきちんとした情報を流すべきメディアも、それを助長するような

     正しくない情報を流すケースもあり、残念に思っています。

    Q. 震災から7年がたち、県外や世界に情報を発信したことにより、何か変わったことはありますか。

    A. 復興支援メディア隊では、あまりマイナスの情報は流していない。みんなが頑張っていることや将来が明る

     くなるようなことを主に扱っているので、逆に日本人の良さや底力のようなものを世界の人に感じてもらえ

     る機会の一つにはなったかなと思っています。

     

     

    ーーーーーーーーーーーー

    次にお話しいただいたのは、震災後に南相馬に赴き、医者という立場でボランティア活動を展開し、その後、

    南相馬で自身のクリニックを設立し、今に至る堀有伸さん(ほりメンタルクリニック院長)です。

     

    震災直後どう感じたか、その後何を思い、どんな行動をとって今に至っているのかを、「精神科医」という仕事

    とも絡めながらお話しいただきました。

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     <震災の影響>

    ・避難の影響も大きかった東北

    特にお年寄りは、急激に生活環境が悪くなったために精神疾患を患う方々が多くなった。また、仕事面でも問題が出てきた。震災後働く人が急激に減った一方、災害のためにするべき仕事は山積みになった結果、オーバーワークになり、精神的に病む人が出てきた。

     

    ・計画停電が相次いだ東京

    ・崩壊した原発安全神話

    今まで常識とされてきたことが崩れ、みんなが動揺した。そんな中で、今までの考えを改め、総合的に考える必要性が出てきた。どの影響も、外部には伝わらない過酷さを孕んでいて、震災の爪痕は深く、日本全体が関わっていくべき問題だということを改めて教えていただきました。

    これから

    常識的な考え方で対応できない状況に見舞われている中でも、日本中世界中が福島のことを気にしていることを知るということ。繋がり方が欠如しているだけで、自分たち一人一人が自分の考え持ち、はっきりと伝えれば、みんなが応えてくれるということ。また、情報発信をうまく使い、自分たちを助けてくれる仲間や友達を見つけることができるということ。災害によるトラウマや喪失体験は、中途半端にしておくと悪影響であり、ちゃんとした時と場所を選んで、その時々の自分の中の恐怖、悲しみ、絶望感をしっかりと味わうことで、前に進むことができるということ。ここまで生きてきた経験、勉強の手段をフルに活用して、皆さんに生きて行ってほしいということを話して下さいました。

    <質疑応答>

    Q.どのような気持ちで福島にきましたか?またうつ病や自殺の予防に取り組む活動の交流会ではどのようなこ

     とをしていますか?

    A. 震災時は東京に住んでいましたが、福島で起こっている事が自分が生きている世界の大切なことで、他人事

     とは思えなかったからやってきました。きっと私のような人は世界中にいるということも、みなさんに知っ

     ていてほしい。私の交流会では、ちゃんと相手と場所選んで、自分の中の、普段は表に出さない、怒りや

     絶望をちゃんと誰かに受け止めてもらえる場所を見つけることを目標にしています。

    Q.福島に引っ越して来る時、放射線などに抵抗はありませんでしたか?

    A. 放射線怖かったです。ただ、この問題を無視したまま、知らないふりして生きて行くことの方がもっと怖

     かった。

    Q. 精神科医になるために、やっていたことはなんですか?

    A. 本をたくさん読んだり、人に会って、勉強は一生懸命しました。それから、自分の嫌なところから目を逸

     らさないようにしました。

    Q. どうして精神科の先生になったのですか?

    A. 外側の知識や人間がすごく発達しているのに、中身の人間が幸せになれないように感じていました。心の

     部分をちゃんとやって、外側の技術と内側のギャップが良くなる方法が見えてこないかなと思って、精神科

     になりました。

     

     

  • 今年度 第1回目の出前授業が開催されました ( いわき市立平第三中学校① )

    12月6日、福島県いわき市立平第三中学校にて出前授業が開催されました。

    この日は、食、医療、教育など様々な分野で活動される4人の方々を1日先生としてお招きしました。

     

    最初の先生は、お米のブランディングなどを手がけていらっしゃる本田勝之助さん(本田屋本店有限会社代表取

    締役)でした。

     

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    震災によって×(バツ)のイメージが着いてしまった福島県を、人や物を掛け合せることで(×かける)、発展

    させて行くことをテーマにお話しいただきました。

    <東日本大震災以降の東北ブランディングの変化と、これからの福島>

    福島のものは安全でないという負のイメージが付いてしまったため、大打撃を受けた農業。現在でも半分は福

    のブランドイメージは回復してない現状があります。このブランドイメージをどう転換させていくか。

    ・×(バツ)ではなく×(かける)

    地元の人々が福島のものが売れなくなっていくことに不安を感じている一方で、福島のために何かしたいとい

    う人は日本だけでなく、世界中にたくさんいる。福島の×(バツ)イメージを×(かける)イメージ、つまり

    福島と他の地域の人々がつながるチャンスだと捉え、一見負に見えるイメージを、みんながなにか福島のた

    めに何かしたいときに、後ろを押してくれる要素として生かしてほしい。

     

    <近い将来に向けて>

    生徒さんのお父さんお母さんがしている仕事の4割が新しい、クリエイティブな仕事に取って代わられる20年

    30年後を見据え、それぞれのニーズを見極めて、「こんなのほしかった」って言われるようなものを自分

    自身で作っていく必要性を話して頂きました。

    ・誰かとクロッシングして働くこと

    人という生き物は相手にレッテルを貼りやすいものだが、レッテルを貼った瞬間に視点の数が固定され、思考

    が止まってしまう。しかし誰かとクロッシングして働くことで、今まで届かなかった視点でサービスを考え、

    新しいニーズを見つけていくことができる。

     

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    続いて、各クラスから1名ずつ代表の生徒さんに参加いただき、復興支援メディア隊の榎田智子がファシリ

    テーターとなり対談が行われました。まず最初に、事前学習で本田勝之助さんに質問したいことを

    挙げた生徒(会場)から質問を受け、それに本田さんが答える形でスタートしました。

     

    生徒:会津で、避難すべきかどうか悩んでいた時に、福島で支援することを決めた一番のきっかけはなんです

       か?

    本田:震災当時は、避難指示が出ている一方で、詳しく放射能の影響について知っている人がまったくいませ

       んでした。だから自分たちで情報を集めて、悩んでいました。ですが、元来、どっちみち避難したくな

       い、という気持ちがあったこと、日々避難すべきかどうか自分で情報を集めて判断するうちに、これな

       ら大丈夫だ、という自信を培い、福島で支援することになりました。

    生徒:ブランド品を県外に提供する中で、一番反響の大きかったものはなんですか?

    本田:震災当初は起き上がり小法師でした。工芸品なら放射線の影響がないという安全面に加え、メッセージを

       残したいという人々に国内外問わずとても反響がありました。みんなが何か福島のためにしたいと思って

       いる、そういう気持ちを表す時に、工芸品はすごく力を発揮しました。現在反響の大きいものは日本酒で

       す。福島の日本酒は日本一とされ、海外にも人気がある。売れるし、どんどん美味しくなってきていま

       す。

     生徒:中長期的に福島を支援する人を集める上で、一番努力したことはなんですか?

    本田:将来的に必要になる支援を先読みし、それをわかりやすく支援できる人に伝えることです。今必要な支援

       は刻一刻変わって行きます。また、中長期的に支援出来る人はとても限られています。だからこそ、そう

       いった人たちを見つけ、その人たちが届くところまで情報をデリバリーすることがとても大切です

    生徒:中学生にできることはありますか?

    本田:まず、3つの円を書いて見てください。

        自分ができること、社会、地域に求められていること、自分がしたいこと。

        3つの円が重なったところが、自分が進むべき道です。これは震災時から今まで、共通しています。そ

       して、自分でできることを、普段の学校生活で増やすこと、社会、地域に求められていることを、しっ

       かりと調査し人に聞いて、理解すること、自分がしたいことを日々自問自答し、シミュレーションして

       みることがとても大切です。

     

    <対談>

     生徒:具体的にどういう風にして、海外の企業に、ブランドや、福島の伝統的な会津木綿とかをどういう風に

       つなげていきましたか?

     本田:震災の前から、海外の人や企業との繋がりはありました。

        実は海外は、皆さんが思うほど遠くはなくて、行ってみると、改めて日本の豊かさに気づかされる事が

       多々あります。世界中から認められる日本のものづくりの技術は、もしかしたら欧米よりも上かもしれな

       い。そういう日本の良いものを、海外でも広めて、喜んでもらいたい、そういう思いを口に出して、行け

       るのなら実際に現地に行ってみると、自分たちと繋がれる人に出会う事ができる、実現できる。

     榎田:海外でもとりわけ、トップクラスの人を巻き込んで何かする時には、どんな苦労がありましたか?

     本田:相手にとって会う価値のある人間にならないと相手は会ってくれない。まさにギブアンドテイクの世界

       で、自分は日本の伝統工芸に関わる人をよく知ってるし、きちんと繋がってるよ、相手の役にたつよって

       いうことをアピールする。

     本田:みんなの意見から、福島を自分ごとに考えている事が伝わってきました。それはどうして?

     生徒:小学生の頃は東京に憧れてたけど、震災後に、福島が大変なのを見て、それから何かあると福島、頑張

       れって思うようになった。悪い経験が、福島のためになったんだと思う。

     榎田:福島のために、自分が出来そうな事、やってみたい事はありますか?

     生徒:福島のために些細なことから手伝って行きたい。僕は運動が得意です。

     本田:実は日本は、健康意識は世界的に見て高いんだけど、運動意識は低い。だから運動は、これから国内で

       大きくなっていく市場でもある。特にデータと組み合わせた運動市場は将来の福島を助ける市場でもあ

       る。

     生徒:僕は喋る事が得意です。

     本田:最近、GoogleがVRな時代だと言った。人に情報の8割を目から取り入れているのに対して、Googleは文

       字データから文字や言葉にならない情報を伝える戦略を考えている。喋る事も大切だけど、どういう技術

       で色々な情報を伝えるか考えるのも大事。文字がなくてもダイレクトに伝えられるような技術が、未来の

       仕事へとつながる。

     生徒:僕はふざけるのが好きです。

     本田:ムードメーカーってことだね。デジタル化が進むにつれて、人と人が会う時間をとても大切にするよう

       にる。多種多様な手段でいつでもどこでも繋がれる時代で、会う意味を再確認しているから。会いた

       い、会ってでしか出来ない、会う甲斐のあるムードメーカーがものすごく大切。みなさんには、福島に

       会いに来たくなるような、ナビゲーターになってほしい。

     生徒:私は復興支援で、おばあちゃんたちと踊ったダンスが楽しかった。

     榎田:年代が違う人たちとのコミュニケーションって楽しい?

     生徒:おばあちゃんと一緒に暮らしているわけではないので、とても新鮮だったし、おばあちゃんたちが一緒

       に楽しんでくれるのを見て、すごく嬉しかった。

     本田:ネット上には、ネットを使える人しか情報を上げない。

        でも、ちょっと前の世代の人たちは、ネットに載ってない、将来に役立つ経験や、時代を持っている。

       ぜひそういう人たちに会って、話を聞いてほしい。未来を作りたいなら、過去を学ばなければならない。

       もう1つは、病気になる人の減少から、病気を未然に防ぐ、予防治療はこれから伸びるということ。

       もし興味があったら、調べてみてほしい。

    生徒:僕は、コンビニのレジに置いてある募金箱に、お釣りを入れたい。

    本田:素晴らしい。ネット上では、みんな自分を見て欲しくていろんなことをする。でも、見えないところで

       やれることをコツコツする人は、人を惹きつけるし、すごいことを将来できる。

    本田:今日の講演で、この一言は忘れない、という言葉を持って帰って、書き留めてほしい。

        これだけ福島のことを自分ごとにできるのは素晴らしいことで、絶対何かできる。もし将来、何か福島

       のためにしたいときは、相談したり、ぜひ自分を使ってほしい。今一番日本でチャンスに溢れているの

       は福島だから、ぜひ自分でそのチャンスをつかんでほしい。

     

    <登壇した生徒さんに感想をいただきました>

    ・自分が今まで知らなかったところで、なんとかして福島のためにいろんなことをやってくれている人がいる事

     が学べた。もっと色々知りたいと思った。

     

    ・自分がいつも教えられている事と共通する事があった。自分が同じ状況だったら助けられないと思うけど、

     本田さんたちは、そういう場合になった時にしっかりと助ける事が出来てすごいなと思った。

     

    ・本田さんの話を聞いて、自分が小さい頃に地震が起きた時に、知らないところでいろんな人たちが自分を支え

     てくれて、そのおかげで今があると思うので、もっとお話しを聞きたいと思いました。また、その人たちに

     感謝をして、次そういう事があったら、自分も知らないところで助けてあげたいです。

     

    ・震災で少し放射線の印象が高くなった福島のために、日本の色々な場所や世界まで行って、良いイメージを伝

     えようとしてくれる人がいるのがすごいと思いました。

  • 出前授業の感想(岩手県立久慈高等学校)

    佐藤柊平さん(一関平泉イン・アウトバウンド推進協議会 ディレクター/一関移住ブランディング実行委員会 プロジェクトマネージャー/岩手わかすフェス実行委員会 実行委員長)の出前授業を受講した久慈高校の皆さんの感想の一部をご紹介します。

     

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    ・ 既存の価値や仕組みにとらわれず、外の世界にアンテナを張るという意見にとても興味を持った。今の私たちはまだ外の世界について何も知らないので、これから高校生のうちにいろいろなことに挑戦して、外の世界について学んで行きたいと思った。将来について詳しく考える機会になり、多くのことを学ぶことができた。ありがとうございました。

     

    ・ 今まで自分の住んでいる場所の魅力などはあまり考えたことがありませんでしたが、講演を聞いて、改めて考えてみると、悪いことばかりではなく、この場所だからできることや見えるものがあると思いました。将来地元に戻るかはわかりませんが、自分の中でやりたいことを見つけてそれに向かって頑張ろうと思いました。

     

    ・故郷の美しい風景や文化を守るためにその地域に住んでいる人たちしか知らない良さを磨き、発信していくことを大切にしていくことが大切だということがわかった。東北の課題解決は日本や世界の課題解決につながるというのも改めて知ることができた。地元の良さを見つけるためにも外に出てさらに地域の良さを見つけていきたい。

     

    ・ 私も将来久慈市や岩手に貢献したいと思っていたので具体的にどのようなことができるかということを知れてよかったです。今までは震災に対してマイナスな考えしかもっていなかったけど、佐藤さんの話を聞いたことでプラスに考えられることを知り、自分の中で震災に対するとらえ方が大きく変わりました。まずは自分の旗を持つための努力をしていこうと思います。

     

    ・自分がしたいことをすることは大切だと思った。私は、貧しい国・外国の子どもたちの支援などをしてみたいと前から思っているが、あまり知識もない状態なので、できずにいるが、大人になったらそういう場にボランティアとしていって活動したいと思っている。自分がしたいことをどんどん実現していって素晴らしい人生にしたいと思う。もちろん私の地元である久慈市も大好きなので、自然や文化を守って継承していきたいと思った。自分から周りにアンテナを立てて、情報を集めたり、当たり前を疑って、各々ができることを持ち寄って、地域を活性化させたいと思った。

     

    ・「自分は地元には残らないから関係ない」と思っていましたが、今日の授業は、地元の地域づくりに関係なくいろいろなことにも当てはめて考えられる話だったし、地元から離れるからといって、地元に何もできないわけじゃなく、また新たな良さに気付くきっかけになりうるんだなあと、ためになるお話でした。

     

    ・個人的なのですが、私は一度都会に出て戻ってきた身です。もちろんまた都会に出ようと思っています。ですが、都会にいたころ、地元の良さに気が付くというのは本当にその通りで、ここは地元のほうが良かったなと思うことは多々ありました。そして都会の人たちに地元の自慢をしていってみたいと思わせることができたことがありました。あれが地元を発信するのに役立っていたのかなと思うと、かなりうれしくなりました。これに気付けたのはこの講演のおかげです。ありがとうございました。

  • 出前授業第4回が開催されました

     3月13日、岩手県の久慈高校にて出前授業が実施されました。

    この日の1日先生は、昨年10月に同じ岩手県の盛岡市立見前南中学校で出前授業をされた、

    一関平泉イン・アウトバウンド推進協議会ディレクター/一般社団法人いわて圏 代表理事の佐藤柊平さんでした。

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    「私の“旗”を掲げよう」というテーマで、

    将来を考える材料を得、自分の旗を得るきっかけとなった自身の高校生活を振り返りつつ、現在の活動の説明と、現在の高校生に対するメッセージを頂きました。

     

    農耕機械の導入によって変化していく地元の風景を写真の中に留めたいと思い立ったことがきっかけとなり地元の美しさや良さに気付き「自分たちの美しい風景を守り、生かす」という自分の「旗」を初めて掲げた高校時代の話、

     

    出会いがきっかけで進路を決定したこと、から大学卒業後の現在に至るまでをお話しいただきました。

     

    そして、魅力的な地域には

     ・地元の人がその地域を楽しんで、幸せに暮らせるように自らそうしようとしていること

    ・自分のできることを持ち寄って、その地域の価値を上乗せしようとしていること

    という共通点があることもお話しいただきました。

     

    敢えて地元に帰らない、地元だけに留まらないという選択肢もあるという、

    東京と岩手に仕事を分けるというライフスタイルを持っている佐藤さんだからこそできるアドバイスや、

     

    今は将来について、はっきりしていなくても、自分の軸、つまり将来のテーマを考えると良い、という、

    高校生の今できることも教えていただきました。

     

    佐藤さんは、「旗」を見つけるために必要なものは

    1.既存の価値観にとらわれず、色々な情報を吸収すること

    2.自分だからこそ出来ることをしっかりとやって見ること

    3.出来ない、ではなくて、どうしたら出来るのかを考えること

    4.様々な人と交流し、旗同士を掛け合わせること

    であると、おっしゃっていました。

     

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    その後は質疑応答の時間が設けられ、生徒からはたくさんの質問が寄せられました。

     

    Q.将来、地元に帰ってきたいと思っています。高校時代にやっておくべきことや、出来ることはありますか?

    A.誤解されるかもしれませんが、学校にいないことが大切だと思います。部活や授業の合間の時間を使って、学校以外のコミュニティで、地域の人と関わることで、良いインスピレーションを得られると思います。

     

    Q.進学をして、地元から離れた時に、遠くからでも出来ることはありますか?

    A.どこに行くかにもよりますが、たとえば、東京や仙台から岩手を支援するため、大学生から社会人が集まった団体があります。毎年約800人の岩手県民が集まります。ぜひ、そういった団体も調べてみてください。

     

    Q.人口減少の中、地域活性化は難しいと思いますが、佐藤さんはこの問題に対し、どのように取り組もうと考えていますか?

    A.人口減少と言いますが、実は人口が減ることが問題なのではありません。問題なのは、税収が減少して地元のインフラに悪影響が出る事、消費が衰退して、雇用や食料の購入などが難しくなる事です。この問題の対処法として僕が考えるのは、外国人観光客を呼び込む事、普段は違う地域に住んでいるけど、地元の行事の時に帰って来てくれるような、関係人口を増やす事です。

     

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  • 出前授業の感想(大船渡市立吉浜中学校)

    畠山信さん(NPO法人 森は海の恋人 副理事長)の出前授業を受講した吉浜中学校の皆さんの感想の一部をご紹介します。

     

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    ・ 地元の文化や伝統を受け継いでいくことはとても大切なことなのだと知りました。グローバル社会になっていく中で自分の地元のことを語ることができるように今のうちから準備しておきたいです。人間が住みやすい環境がほかの動物にも通用するわけではないことを理解したので、いろんなことを視野に入れて社会問題などにも向き合っていかなくてはいけないなと実感しました。畠山さんのようになりたいものを絞らず、常に「スーパー」を目指していきたいです。本日は本当にありがとうございました。

     

    ・ 「海は世界とつながっている」という言葉が印象に残りました。1つの場所でいくら海を守ろうと努力しても世界全体で取り組まなければならいという意味が込められていることがわかりました。「森は海の恋人」には森があるから豊かな海が作られる、親しい仲にあるという意味があり、とてもいい言葉だと思いました。畠山さんは世界の人に森と海の関係を教えたいという夢を持っていて、そのためにいろいろなことに挑戦していてすごいと思いました。私もこれからのためにしっかり勉強したいです。

     

    ・ 私たちの感覚で豊かな海とは、きれいな水の海だと思っていました。ですが海にいる生き物たちにとっては、濁りのある水のほうが豊かだということを初めて知りました。これから私たちが生きていくためには多少の濁りのある海が良いということを感じました。私たちの住んでいる三陸の海、なぜこんなにも豊かなのかということを初めて知りました。最初は、親潮と黒潮が交わるからだと思っていました。実際は、「アムール川」という川に入っている鉄分がかかわっているからということがわかりました。

     

    ・ 私は、医療系の仕事に就きたいと思っているのですが畠山さんがおっしゃっていた、何でもできる最強の漁師というのが心に響きました。ただその仕事だけできていても、前に進めないと思うので、私も何事でも最強、何でもできる人になりたいです。また、畠山さんは自分に仕事に誇りを持っているのがすごいと思いました。

     

    ・畠山さんの理想の海は、プランクトンがたくさんいて、にごっている海ということなので、自分も将来できることがあったら、プランクトンがたくさんいる海にしたいと思いました。

     

    ・今日の授業で、好きなことや興味のあることをやってみることのすごさがわかりました。畠山さんは、漁師でありながら動画を作ったり、昆虫やシダ植物のことをたくさん調べたりすることで、得意分野が多くなることを分かりました。今しかできないことと、自分の興味のあることを見つけて、大人になった時に活用したいです。

     

    ・森林が減ってきている今、海に影響が出たらどうしようと心配になりました。海は私たちの命の源でもあるので、自然を大切にしていきたいです。また、海は世界とつながっています。私たちが海を大切にしていけば、世界の海もきれいになると思います。