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  • 未来への教科書 第60回 福島に思いをはせて~追憶の先にあるもの

    未来への教科書 第60回 福島に思いをはせて~追憶の先にあるもの

     
    福島県郡山市を中心に活動している劇団ユニット・ラビッツの代表である佐藤茂紀さんは、震災後、原発事故をテーマに“決して忘れてほしくない”という思いで作品を作り続けて来たが、気持ちに変化が訪れている。
     それは“忘れた先に思い出すもの”こそが大切だという思い。

    東京都板橋区にある板橋区ホタル生態環境館の阿部宣男さんは、自らの原風景としている福島県の大熊町から採取したゲンジボタルを独自の手法で今でも世代交代させながら25年間飼育している。
    原発事故後の状況を見るにつけ、自分が大切に守ってきたホタルを再び大熊町に戻したいと思うようになる。

    今回は、福島県を舞台として原発事故が風化し忘れ去られていくことや、失われようとしている風景と向き合っている人々を通して、追憶の先にある可能性について探った。
     BS12ch TwellV
    放送日 
    11月5日 18:00~19:00  11月9日 27:00 ~ 28:00
    11月12日 18:00~19:00 11月16日 27:00 ~ 28:00

  • 未来への教科書-For Our Children- 第59回「エネルギーから見えてくる未来」

    未来への教科書-For Our Children- 第59回「エネルギーから見えてくる未来」

    NPO法人 再生可能エネルギー推進協会
    NPO法人再生可能エネルギー推進協会(通称:REPA)は、再生可能エネルギーの研究と普及によって地球環境に優しい社会作りに貢献することを目的に、2006年に設立された。
    REPAは、震災後の2011年8月から、福島県伊達市の霊山町で「霊山プロジェクト」という復興支援プロジェクトを手掛けている。稲作や果樹栽培などの盛んな自然あふれる農村であったこの地域は、震災後の高い放射線量のために地域内に特定避難緩衝地点が設けられ、農作物の出荷停止や作付け禁止などの措置が取られていた。
    その中でREPAは、高線量で出荷できない農作物や雑草、生ごみなどを利用したメタンガス発酵実験を現地住人、大沼豊さんの協力を得て進めている。発生したメタンガスは家事や農作業などに利用し、発酵後の残渣物を取り除いた液肥を堆肥として農地還元することも期待されている。
    また、同じく現地住人、大波盛雄さんの水田を借りた水田除染プロジェクトも同時に推し進めている。10区画に区切った水田に竹炭を入れるなど様々な条件を作り、そこで収穫される米の放射線量や収穫量を調べるというものである。この地域の農業の再生に向け、放射能とどう向き合うかを模索するものである。
    それまでにない新しい技術を使い、地域を生まれ変わらせようとするこのプロジェクトは、有機農業に取り組む農場の視察や住民との対話会を経て、大きな広がりを見せている。
    これからの復興を考える中で、一つのモデルとなりうる可能性を秘めている霊山プロジェクト。その活動を追った。

    岩手大学工学部 電気電子・情報システム工学科教授 高木浩一さん

    岩手大学工学部、電気電子・情報システム工学科教授の高木浩一先生は、雷などの高電圧プラズマや電気エネルギーの研究・応用を専門分野としている。またその傍らで、2005年より小学生など子どもを対象としたエネルギー体験教室を開くという活動を続けている。
    様々なエネルギーの基本的なことを分かりやすく教え、見せ、そして体験させるというものである。
    震災以後、この教室での教え方には変化があり、火力、原子力、太陽光など沢山のエネルギーについて、それぞれのリスクとベネフィット(利益)を注意して教えるようになったという。
    「これからのエネルギーという観点において、沢山の可能性の中から、自分で理解し、選択していく人間になってほしい」と先生は話す。そのため、こういった体験教室のような子供たちが学ぶ場をもっと増やしていきたいという。
    大学での体験教室の様子や、夏休みに行われた親子体験教室の様子も交えながら、お話を伺った。
    放送日  
    10/15 (火)18:00~19:00
    10/22 (火)18:00~19:00

  • 未来への教科書 第58回「見えてきた小さな風、復興の姿」

    未来への教科書 第58回「見えてきた小さな風、復興の姿」

    第58回「見えてきた小さな風、復興の姿」
    震災から2年半、いま被災地の復興はどのように進んでいるのか。以前番組で出演頂いたキーパーソンを再取材し、被災地のいまをお聞きした。

    東北大学大学院環境科学研究科 教授 工学博士 石田秀輝
    環境制約が厳しい2030年で豊かに暮らすライフスタイルを描き、そこに必要なテクノロジーを自然の中から見つけ出し、新しいテクノロジーとしてデザインし直す。そうした一連の概念を元にネイチャーテクノロジーは新たな学問として注目されている。現在は、ネイチャーテクノロジーは文部科学省より認可を受け、多くの研究者たちと共に様々な実証実験が進むなどその動きは活発になっている。
    しかし、震災によって見えてきた90日経つと人々の行動は元に戻るという事実はこれからの未来を考える上で大きなポイントになる。ネイチャーテクノロジーが出来ることについてお伺いした。


    株式会社 松弘堂 代表取締役社長 松本俊彦
    昭和6年創業の「松弘堂」は印刷業を営み、地元に根付いた企業として70年以上事業を行ってきた。しかし、震災により会社は全壊、設備も全て津波に流された。震災後、会社は存続させなければいけないという思いから、別の場所で会社を再建。従業員の数は半分になったが、なんとか事業を再開させた。
     石巻は今回の震災で、全企業の約67%(約1800社)が被災した。特に水産加工業者は、被害が甚大で深刻な問題になっている。水産加工業を営む中小企業が中心に連携し、復興のために、「いしのまき被災企業“元気”元気復興委員会」を立ち上げ、松本さんはそこの会長を務めている。
    各会社が持つ商品を詰め合わせにし、販売してきた。今では、商品のラインナップが増え、協力してくれる企業も増え、着々と新しい風が吹きつつある。


    一般社団法人名取市観光物産協会
    一般社団法人名取市観光物産協会は、震災後に復興部会を立ち上げ、様々なイベントの運営や、観光復興を目指し「復興桜」の植樹活動などを行ってきた。その中でも、地域に昔から伝わる先祖供養の灯篭流しの復活に尽力してきた。
    2011年、12年と灯篭流しや絵灯篭のイベントを開催してきたが、震災から2年を迎えた今年3月10日の追悼イベントは悪天候のため中止となってしまった。
    8月13日、並べられなかった絵灯篭を使った「閖上追悼イベント2013」が開かれた。日本全国や海外から集まった絵を貼った絵灯篭2500個と、キャンドル2000個を閖上中学校の校庭に並べ、震災で亡くなられた方を追悼し、復興を願うイベントである。並べられた絵灯篭には、故人への追慕や故郷への思いが込められている。催しの様子を追った。

    放送
    10月1日(火) 18:00 ~ 19:00
    10月5日(土) 27:00 ~ 28:00

  • 未来への教科書第57回「動物との共生から学ぶ、豊かな社会のあり方」

    未来への教科書第57回「動物との共生から学ぶ、豊かな社会のあり方」


     岩手県岩泉町にある「中洞牧場」は50haの山で放牧型酪農に取り組んでいる。約70頭の牛たちは山に生える草木を食べ、通年昼夜山の中で暮らしている。
     米国の余剰穀物を使った既存の出荷、牛舎に牛を生涯閉じ込めた飼育体制に疑問を持った牧場長の中洞正さんは、生産から加工・販売を自社で実施し、消費者に本物の牛乳を届けている。山を活用しながら酪農を営むことで、里山の保全も担っている。中洞正さんは、20年の年月をかけてこの山地酪農に取り組んできた。
     中洞牧場には、日本の酪農を変えたいという想いから、多くの若者が学びに訪れている。
     日本の酪農のあるべき姿、第一次産業の未来を聞いた。

     東北大学大学院 生命科学研究科の占部城太郎教授は、震災後、津波の被害を受けた田んぼや干潟などに生息する生態系の調査を実施している。
    「海と田んぼからのグリーンプロジェクト」は、10年の期間で年に14回、市民参加型で調査を実施している。
     生態系の安定は、私たちの暮らしの安全性を保証することにつながっている。また生態系の活動が、豊かな環境を提供している。
     被災した場所の生態系の調査から見えてきた事とはなにかを聞いた。
    <放送> 
    9月17日 (火)18:00~19:00 / 9月21日 (土)27:00~28:00
    9月24日(火)18:00~19:00 / 9月28日 (土)27:00~28:00

  • 「未来への教科書〜For Our Children」第56回「ファッションの力で、進化した復興へ」

    「未来への教科書〜For Our Children」第56回「ファッションの力で、進化した復興へ」

     
     ファッション業界の第一線で40年近く活躍し続けてきた加賀美さんは、東日本大震災後にLOOM Nipponという団体を立ち上げて復興支援に乗り出した。
    「太古の昔から未来へと流れていく時間軸が縦糸、今、同世代を生きている人たちが横糸。この縦糸と横糸で愛のタペストリーを織っていきたい」。
     その想いに突き動かされながら、宮城県南三陸町でバッグを製造するLOOMBAGプロジェクは始まった。
     デザインを作り上げる加賀美さんを中心とした東京のスタッフや、バッグを生産する南三陸町の工場、販売を担当する銀座のショップなど、各工程を通じて様々な人の想いがバッグに織り込まれ、それを手にした人々へと広がっていく。
     その想いとは、LOOMという言葉の元になっている「Love of Our Motherland」(郷土愛)。
     そして、バッグの収益の一部は鎮魂と未来への希望を込めた3000本の桜の植樹へと姿を変える。
     被災地での雇用創出と全く新しい産業を生み出す”進化した復興”へのチャレンジと、”想い”を大切にした日本ならではのモノづくりの魅力を追った。

    BS12ch TwellV
    放送日
    9月3日 18時〜19時 / 7日27時~28時
    9月10日18時~19時 / 9月14日 27時~28時

        

  • 未来への教科書 第55回「被災地から新しい経済を育てる」

    未来への教科書 第55回「被災地から新しい経済を育てる」

     
     気仙沼市出身のフリーアナウンサー、岩手佳代子さんは震災後に「復興屋台村 気仙沼横丁」の実行委員長を務めるなど、故郷・気仙沼のための活動に尽力してきた。
     震災から2年余りが過ぎ、被災地での支援の形も変容していく中、岩手さんは「被災地から自らの力で立ち上がる」ことを決意した。特産品のフカヒレなど気仙沼産の食材にこだわった美容サプリゼリー「フカコラ美人」の開発に乗り出す。
     「アンチエイジングシティ・気仙沼」をうたい、「美の町・気仙沼」という新たな価値・魅力を作り出す事で気仙沼への注目度を上げ、ひいては観光客を呼び込もうとするプロジェクトの第一弾商品である。
     しかし、岩手さんも専務の狩野さんも食品開発の経験は無く、手探りで進めるプロジェクトには思うように進まないこともある。商品デザイン、在庫、販路、宣伝・・・「支援」のための商品ではなく、通常のビジネスベースで考えられる商品開発には、それに伴う現実が存在する。
     強い思いから「フカコラ美人」が生まれ、販売されていく中で岩手さん達が直面する現実と、それをサポートしてくれる専門家や協力者の方々との出会い、そして岩手さんが活動を通じて感じた思いとは―。
     被災地から生まれた新商品が、現実の中でどのような軌跡を辿っていくのか、その活動を5カ月に渡って追った。

    ~放送~BS12ch TwellV「未来への教科書〜For Our Children」
    8/20(火)18:00~19:00
    8/24(土)27:00~28:00
    8/27(火)18:00~19:00
    8/31(土)27:00~28:00

  • 未来への教科書第54回「東北が育てる日本の農業の未来」〜キリン株式会社「東北復興・農業トレーニングセンタープロジェクト」〜

    未来への教科書第54回「東北が育てる日本の農業の未来」〜キリン株式会社「東北復興・農業トレーニングセンタープロジェクト」〜

     東北復興のために3年間で60億円を拠出する、キリン株式会社の「キリン絆プロジェクト」。その1つ「東北復興・農業トレーニングセンタープロジェクト」は、東北の農業経営者、東京側の復興プロデューサーが一緒になって新しい農業のカタチを作り上げていくプロジェクトだ。
     1年間のカリキュラムを実施し、実際に現場を訪れ、新しい農業の仕組み、他産業との連携を図れるネットワークの構築を目指している。
     日本の農業の未来のために本気で取り組む農業経営者、そしてその思いやこだわりをユーザーやマーケットに繋げるプロデューサーをこのプロジェクトを通して追った。
      
    取材期間 2013年5月21日 ~ 6月29日

     <放送日>
    BS12ch TwellV「未来への教科書〜For Our Children」
    8月 6日(火) 18:00 ~ 19:00
    8月10日(土) 27:00 ~ 28:00
    8月13日(火) 17:00 ~ 18:00
    8月17日(土) 27:00 ~ 28:00

  • 未来への教科書第53回 「植樹に込める未来への思い~宮城県名取市での2つの取り組み~」

    未来への教科書第53回 「植樹に込める未来への思い~宮城県名取市での2つの取り組み~」


    復興に向けての町づくりが徐々に進むなか、町の中に樹木を植えていくための活動が活発に行われている。
    海沿いの地域に植えられている樹木は防風林などの重要な役割を担っている。
    その歴史を紐解けば何百年という長い試行錯誤の連続である。
    また、四季の変化を映し出す樹木は生活に彩りを与えてくれる。
    今回は宮城県名取市を舞台に、名取市物産観光協会が行っている桜の植樹や公益財団法人オイスカが行っている海岸林再生事業を通して、暮らしに欠かすことのできない樹木をめぐって精力的に活動している人々が見据えている未来の町の姿を追った。

    一般社団法人名取市観光物産協会 佐宗美智代さん
    名取市観光物産協会はもともと、季節ごとに開催されるお祭りを運営するなど、地域密着の活動をしてきた。震災が起きて以降はその役割が大きく変わった。震災によって亡くなった人々の鎮魂や、残された人々を前を向かせるための絵灯篭を使った行事をおこなったり、何もなくなってしまった仙台空港付近の地域に 3000 本の桜並木を作り、そこに様々な商業施 設を呼び込むなどして、まったく新しい形で観光地として生まれ変わらせようと動いている。そこには、地域に対する深い愛情がある。

    公益財団法人オイスカ 吉田俊通さん
    1961年に設立されたオイスカは、アジアや太平洋の地域の農村開発や、それに伴う植林活動を行ってき た。
    震災以後はいち早く名取市の海岸林再生へと動き出した。豊富な経験やノウハウから、行政や、地域の人々と共に周到な用意を進めてきた。 長期的な作業となる植林は、現地の人の手があって初めて成り立つ。そのための技術研修を行い、人件費を発生させ仕事として行えるような体制を作り出した。そこにはオイスカが大切にしている”人づくり”という哲学がある。

     

    BS12ch TwellV「未来への教科書〜For Our Children」

    7月16日(火) 17:00~18:00 7月20日(土) 27:00~28:00

    7月23日(火) 18:00~19:00 7月27日(土) 27:00~28:00

  • 未来への教科書 -For Our Children- 第52回「地域を診るということ ~ 石巻市から 」

    未来への教科書 -For Our Children- 第52回「地域を診るということ ~ 石巻市から 」

    宮城県石巻市。被災地の中でも取り分け大きな被害を受けたこの町では、今も16000人以上が仮設住宅で暮らす。中でも開成・南境地区の仮設団地は東北最大ともいわれ、約1900戸に4500人ほどが日々の生活を営んでいる。

    その仮説団地内にある石巻市立病院開成仮診療所。「沢山の人々が暮らす地域に医療機関がないのはおかしい」という強い意思を持って石巻にやって来た長純一医師を所長として迎え、2012年5月31日にオープンした。

    あれから一年。診療所と仮設団地はどのような状況にあるのか。

    そこには2年を経て新たに生まれ、そして数年先の未来へも続く課題があった。全ての人がそうではないが、診療所に来られる方々のうつ、PTSD、認知症などの症状の裏側には仮設住宅での生活の難しさや、仮設団地内での人間関係によるストレスがある事が少なくない。

    長医師は地域医療のスペシャリストとして行政や福祉、看護、介護、ボランティアなど様々な人々と地域住民の情報を共有する「エリアミーティング」などを定期的に開催し、医療だけではなく住民の生活や居住環境なども含めた広い視点で地域を“ みる ”。

    「今だけではなく、数年後に住民たちが仮設から復興住宅に移っていく時に、人間関係やコミュニティの困難がきっとまた出てくる」との想定から、その時を見据え、地域づくりや町づくりの視点も持ちながら地域を包括的にケアするという取り組みを始めているのだ。

    「地域を診る」とはどういうことか。長医師と開成仮診療所の活動を4日間に渡って追った。

    7月2日(火)17:00~17:59 / 7月6日(土)27:00~28:00
    7月9日(火)17:00~18:00 / 7月13日(土)27:00~28:00
  • 未来への教科書第50回 「食の安全と向き合う~生産者と消費者の新しいつながり~」

    未来への教科書第50回 「食の安全と向き合う~生産者と消費者の新しいつながり~」

     

    福島第一原発の事故における一連の爆発は、日本の食を取り巻く環境に多大な影響を与えた。

    福島や近隣の県の生産者は作付け禁止や出荷停止、規制が解除された後も風評被害による売り上げの低下など震災から二年経過した今でも様々な問題と格闘している。

    一方、消費者も安全な食品が出回っているにも関わらず、漠然とした不安の中で自己判断を突きつけられるような状況は未だ変わっていない。

    そうした中で、生産者と消費者の関係や、そもそも食はどうあるべきかという震災前から横たわっていた根本的な問題が大きな意味をもって改めて浮上してきた。

    今回は、福島県須賀川市で阿部農縁という農園を営む寺山佐智子さんの生産者が働きかける食の安全への様々なアプローチや、東京都板橋区で放射能汚染検査を行っている農民連食品分析センターの所長である八田純人さんが提言する科学が出来る食へのサポートなど、食の安全と向き合っている人々の姿を追った。

    BS12ch TwellV「未来への教科書〜For Our Children」

    6月4日(火) 18:00~19:00 6月8日(土) 27:00~28:00

    6月11日(火) 18:00~19:00 6月15日(土) 27:00~28:00